第1期「わたしの一品」:10月16日(水) - 29日(火)
1st Period “My buddies” October 16 - 29
第2期「ささえる一品」:10月31日(木) - 11月12日(火)
2nd Period “From behind-the-scenes” October 31 - November 12
第3期「みんなの一品」:11月14日(木) - 27日(水)
3rd Period “Design for Empathy” November 14- 27
最新のグッドデザイン賞受賞デザインを最速でご紹介する「私の選んだ一品」を、本年も10月16日(水)より開催します。
2024年度の受賞デザインから、全103名の審査委員が選んだお気に入りの「一品」87点とメッセージを3期に分けてご紹介します。
本年のグッドデザイン賞には、国内外から多種多様な5,000件以上のデザインが応募され、さまざまな専門領域で活躍する国内外のデザイナーや建築家、研究者などからなる審査委員会の議論の結果、1,500件余りのグッドデザイン賞を選出しました。この受賞デザインの中から、審査委員が審査会場で気になったもの、目に留まった個人的なお気に入りなどを紹介します。
第1期では、プライベートな生活や趣味のパートナーとしてのデザイン、第2期では、活動や産業を支える縁の下の力持ち、第3期では家族や地域、こころざしを同じくする人たちを後押しするデザインを展示。展示と共に、一品や個人的な関心をテーマにしたトークイベントも実施予定です。今年も一品展で、毎日が明るく楽しくなるデザインを発見してください。
会場は全て GOOD DESIGN Marunouchi
参加無料/座席予約はpeatixで受付中/立ち見参加・当日飛び入り参加自由
#01「デザイン、どうやってます?」
登壇者:青木 亮作(TENT) × 田渕 智也(2024年度グッドデザイン賞審査委員)
日 時:2024年10月24日 (木) 19:00 - 20:30
https://ippin2024talk01.peatix.com/
#02「スマホのデザインから、これからを考えてみる」
登壇者:宮沢 哲・三宅 一成(以上、2024年度グッドデザイン賞審査委員)・川 充雄(シャープ株式会社 通信事業本部 デザインスタジオ 部長)
日 時:2024年10月27日(日) 14:00 - 15:00
https://ippin2024talk02.peatix.com/
#03 インクルーシブ遊具研究プロジェクト「RESILIENCE PLAYGROUND」について聞く
登壇者:岩瀬諒子(2024年度グッドデザイン賞審査委員)×田嶋宏行(株式会社ジャクエツ スペースデザイン開発課 RESILIENCE PLAYGROUND プロジェクト デザイナー)
日 時:2024年11月4日(月祝) 14:00 - 15:00
https://ippin2024talk03.peatix.com/
#04「産学協同プロジェクト」の現在地
登壇者:コマツ株式会社 小松智(スマートフォンアプリ【産学連携】壁紙品番AI識別アプリ「かべぴた」プロデューサー)・東京造形大学 教授 森田敏昭(デザイン教育 サーキュラーペーパープロジェクト プロデューサー・ディレクター)
日 時:2024年11月4日(月祝) 16:00-17:30
https://ippin2024talk04.peatix.com/
#05「家のウラ側はまちのオモテ側・室外機のデザインを考える」
登壇者:原田 真宏(2024年度グッドデザイン賞審査委員)・中村 実(パナソニック株式会社 空質空調社)・東島 宏彰(リンナイ株式会社開発本部デザイン室)
ご登壇者の都合により延期となりました。日程が決定次第お知らせします。
#06 高齢化社会の空間をみんなで考えるしくみ 「ことととぶき」について聞く
登壇者:西川 日満里(2024年度グッドデザイン賞審査委員)・柴田 木綿子(「ことととぶき」プロデューサー・発行人)
日 時:2024年11月10日(日) 14:00 - 15:00
https://ippin2024talk06.peatix.com/
#07 メタバース 『かくれてしまえばいいのです ~生きるのがしんどい あなたのための Web空間~』について聞く
登壇者:田中 みゆき(2024年度グッドデザイン賞審査委員)・清水 康之(NPO法人ライフリンク 代表・創設者)・ヨシタケシンスケ(絵本作家・イラストレーター)
日 時:2024年11月10日(日) 16:00 - 17:00
https://ippin2024talk07.peatix.com/
#08 イタリア・新潟/地域の風景をつくる「食」とデザイン
登壇者:正田 智樹( 『Foodscape フードスケープ: 図解 食がつくる建築と風景』著者)・鈴木 将(「地域の食を活用した持続可能なまちづくり UPDATE OUR LOCAL」プロデューサー・有限会社 寿々瀧 代表取締役/地域デザイナー)
日 時:2024年11月16日(土) 14:00 - 15:00
https://ippin2024talk08.peatix.com/
#09 「多世代共生の複合型福祉施設 深川えんみち」について聞く
登壇者:仲 俊治・山﨑 健太郎(以上、2024年度グッドデザイン賞審査委員)・長谷川駿(「深川えんみち」設計者・JAMZA一級建築士事務所 共同代表)
日 時:2024年11月22日(金) 18:00 - 19:30
https://ippin2024talk09.peatix.com/
#10 「茶室 ベネチ庵」茶会体験 &トーク
登壇者:岩瀬 諒子(2024年度グッドデザイン賞審査委員)・株式会社三菱地所設計「茶室 ベネチ庵/アラビ庵」デザイナー
日 時:2024年11月23日(土) 時間調整中
https://ippin2024talk10.peatix.com/
*ウェブサイトは時間が決定次第公開します。
#11 インクルーシブ遊具研究プロジェクト「RESILIENCE PLAYGROUND」について聞く
登壇者:川西 康之(2024年度グッドデザイン賞審査委員)・田嶋宏行(株式会社ジャクエツ スペースデザイン開発課 RESILIENCE PLAYGROUND プロジェクト デザイナー)
日 時:2024年 11月24日(日) 14:00 -15:00
https://ippin2024talk11.peatix.com/
→ 第1期「わたしのデザイン」 → 第2期「ささえるデザイン」 → 第3期「みんなのデザイン」
齋藤 精一 審査委員長/クリエイティブディレクター
アクティブIPスピーカーシステム Genelec : Smart IP シリーズ
長年個人的にも使っていますが、これだけクオリティとユーザビリティが高いIPスピーカーに進化したことに驚かされました。筐体のデザイン・音質のクオリティは勿論のこと、これだけ簡単にインストールできる設計も素晴らしい。音は空気の様な存在になりましたが、それをもう一度見直す素晴らしいデザインだと思います。
渡辺 弘明 インダストリアルデザイナー
アクティブIPスピーカーシステム Genelec : Smart IP シリーズ
ハッリ・コスキネンデザインの堅牢なアルミダイキャストキャビネット。バリエーションも豊富。専用アプリでの洗練されたインターフェース然り、デザインの魅力度は高い。しかしながら、LANケーブル1本でのオーディオ伝送、電源供給には音質への疑念があった。現物で上質なサウンドを聴く迄は。このシステムを世に送り出した勇気は賞賛に値する。
永山 祐子 審査副委員長/建築家
仕事柄シャベルカーの入りにくい規模の小さな現場の掘削などに困ることがありました。まさに今進めているPJでもそういった箇所があり、手堀かという話をしていたところなのでこのシャベルカーなら入るかもしれないと希望が持てます。そう言った場所はたくさんあると思うのでとても助かる現場は多いと思います。
内田 まほろ キュレーター
本物?おもちゃ?と見間違えるほどのミニサイズ。子供のころ、ミニカーやラジコンで憧れていた重機が、軽やかな道具になって、みんなの手の届くものになったのだ!災害対応や個人農家など、活躍の場も広そうだ。力強いかっこよさはそのままに、かわいく愛される、新しいジャンルの道具の誕生に、心からワクワクした。
廣川 玉枝 クリエイティブディレクター/ デザイナー
大型のユンボでは入れないような小さな場所で使う事が出来そうで、庭の造園にとても役立つと思います。先日我が家の庭の抜根作業に何日も費やしたので、小回りがきく小型ユンボがあったら良かったと思い、私の一品に選びました。
本田 敬 プロダクトデザイナー
ハンドルのついたチーズグレーターに憧れて物色していると「チーズだけじゃない!」のセリフが目にとまった。そうそう、妻からおろし金を渡されて夫が台所で手伝うといったら、生姜やニンニクです。発売後すぐに購入して愛用していますが、大きなハンドルがなくとも使いやすく、裏に溜まった食材をケースでこそげる感覚が心地よい。もちろん、たまにはチーズにも!
鈴木 元 プロダクトデザイナー
化粧水を買うことにどこか気恥ずかしさがあるのだが、最近はこの化粧水を愛用している。鈍く柔らかい色合いや、機能的な表記が化粧品らしくなく、私だけでなく世のおじさん達も買いやすいのではないか。ボトルの色はリサイクルの際の熱処理による黄変なのだそうだ。そのままの飾らないところがいい。
石川 俊祐 デザインイノベーション
大量生産・大量消費へのカウンターカルチャーとして誕生した良品計画。天然素材への原点回帰のようなそのボトルは、思想・表現ともに新たな美しさへとシフトしていこうという気概が感じられる。今の時代の欲求に答えつつ、MUJIの起源に触れるかのような美しいチャレンジを高く評価しました。
鈴木 啓太 プロダクトデザイナー
ブラシ部分がラバー素材でできた歯ブラシです。初めて使用した際、新しい体験に驚きました。歯茎への当たりも良く、歯がツルツルの状態が続いて気持ちが良いです。これ以上進化の余地がないと思っていたものが、さらに進化しているのを見た時、グッドデザイン!と叫びたくなります。これから愛用していきます。
Thomas Garvey インダストリアルデザイナー
印象的な持続可能性を優先するアーティストのための、環境に優しいインク。天然のオーガニック成分から作られ、有害な化学物質を使わずに鮮やかな色を提供する。コールドブリュー製法で顔料を保存し、自然の本質をとらえた豊かな色合いが長持ちする。若い起業家が若者のチームとデザインしたこの製品ラインは、次世代のデザイナーの優秀さも示している。
佐々木 千穂 ユーザーエクスペリエンスデザイナー
心を動かされたときによく手紙を書く。言い回しに悩み、添えるイラストに失敗しても、封をするときの達成感が好きだ。同時に開封の手間を取らせて申し訳ない、とも思う。ただ控えめな封では、込めた想いが封筒から逃げてしまいそうだ。このカッターですっと開封してほしい。どんなにしっかり封がされていても、心がすぐに届く気がする。
木村 博光 クリエイティブディレクター
会場内を歩いていて、ドナルドジャッドのアート作品を彷彿とさせる綺麗な箱が目に留まった。引出収納としてモニター等の重量物を置ける新規性は、ユーザーに余白を与え、多様な空間を生み出す。「ましかく」な箱に陰影をつくる四辺の縁は、美しさと手がかりの機能を融和し、その剛性と相まって、凛とした佇まいを醸し出している。様々な創意工夫を最小の手数で表現した「美しい箱」に投票したい。
石橋 忠人 プロダクトデザイナー
ペーパーホルダー、ティッシュケース REPITA キッチンペーパーホルダー、ウェットティッシュケース
これは吸盤の革命です。いつの間にかポロリと外れていたり、いざ外す時は大変だったり、便利なようで頼りない、そう我々が知っているあの丸い吸盤が劇的に進歩しました。簡単に付いたり外したり、感動です。その吸盤が底面に配置され、ウェットティッシュやペーパーホルダーが、なんと片手で使えます。
片岡 哲 プロダクトデザイナー
ペーパーホルダー、ティッシュケース REPITA キッチンペーパーホルダー、ウェットティッシュケース
磁石のような吸盤。いや、磁石よりもっと自由だ。片手で出来るは便利。いや、もうこれじゃなきゃダメ!という人も出てくる筈。日頃何気なく両手でしている事が、片手ではこんなにも困難で複雑な作業だった事に改めて気づかされる。もっともっと多くの場面で、この再発明された吸盤の大活躍を見たい!
中坊 壮介 プロダクトデザイナー
あの頃の私達と変わらず、今の子ども達もこのクレパスをボロボロになるまで使い込んでいる。かすかな記憶を辿ると、描いた絵のそばに確かに存在していた。クレパスによるものでは無い切り絵風のパッケージイラスト、折れた欠けら、そして蝋の匂い。変わらないデザインが記憶を彩ってくれる。
清水 久和 プロダクトデザイナー
ねっとりとした描き心地が好きでした。いま考えるととても本格的な画材でしたね。日本のこどもたちは本当に良い画材を使っていると思います。あの質感、色、匂いは私たちの記憶にしっかりと焼きついています。誰もの記憶の底に手触りや匂いを残せる、そんなデザインをしたいものです。
Byung-wook Chin インダストリアルデザイナー
カメラは単なる機械ではなく、写真家の情熱を理解し、彼のインスピレーションを現実に具現化する芸術的な仲間です。おすすめの一眼レフカメラは、写真家の心を理解し、その創作意欲を表現するのに十分な能力を持っていると思います。撮影者の視線を認識し、どこにフォーカスを合わせるかを技術的に実装し、スポーツの特性に応じて最も美しい写真を撮るための「動きの主体を認識する」機能を実装することで、参加者の心を読み取ることに忠実なカメラです。
三宅 一成 デザイナー
多機能ポータブルオーディオレコーダー teenage engineering TP-7 field recorder
アナログとデジタル、そんな垣根なんてそもそもなかったかのような使用体験がデザインされている。美しい外観デザイン、CMF、大きさや重さ、全てが完璧にまで整えられたデザインは、目にした人の好奇心をくすぐらずにいられない。まさにプロダクトデザインの歴史に残るデザインである。
野崎 亙 プロジェクトディレクター
多機能ポータブルオーディオレコーダー teenage engineering TP-7 field recorder
久々にデジタルガジェットに熱くなってしまった。このコンパクトな筐体に実装された様々な機能は出色であるが、昨今のミニマイズされていくアピアランスに対して、フィジカルなインターフェイスが持つ魅力をまざまざと示してくれていることに感動。要はなくとも思わず欲しくなってしまう逸品!
宇南山 加子 プロダクトデザイナー、空間デザイナー、アートディレクター
コンパクトで色合いも落ち着いていて、高級感が感じられ、価格とのバランスもいい。会話などは、ほぼ間違いなくテキスト化され、人が作る以上に上手く要点などまとめられるなど、使い勝手がいい。イノベーティブを普段のライフスタイルの中に取り入れる近年のデザイン課題がある中で、本製品は誰もがスマートに取り入れることのできる優れた製品である。
Shikuan Chen プロダクトデザイナー
Foldable Smartphone Porsche Design HONOR Magic V2 RSR
従来のスマートフォンのデザインを超越し、自動車工学の原理とモバイル技術の革新の融合を体現している。ポルシェのエアロダイナミクスの専門技術にインスパイアされたそのアーキテクチャーは、カーボンファイバーやチタン合金などの先進素材を統合し、質量を最小限に抑えながら構造的完全性を最適化している。このデバイスは、モバイルコンピューティングのパラダイムシフトを象徴するもので、フォームファクターの進化と性能の最適化が融合し、パーソナルエレクトロニクスと高性能自動車の境界線に挑戦する製品となっています。スーパーカーに由来するデザイン要素を統合することで、単なる美的目的だけでなく、機能性、熱管理、ユーザーとのインタラクション・パラダイムを向上させている。
宮沢 哲 デザインディレクター
いい意味で「ゆるい」感じがとてもいい。多くのスマホが実力以上に良く見せようとする中、日常生活感というか身体感覚に近いスマホが出てきたことが嬉しい。でも実は価格合理性とアナログ感の絶妙なバランスによって成立させているという、そんな稀な商品。
佐藤 弘喜 デザイン学研究者
Desk Lamp Xiaomi LED Desk Lamp 2
とにかくシンプルで心地よいデザイン。デスクランプに必要な機能を簡潔に形にしてあり、何も付け加える余地がない。シンプルでありながら構成要素のバランス、エッジやコーナーの処理などが吟味されていて完成度が高い。ランプ前面に配された明るさや色温度調整なども、フォルムにマッチして使いやすい。
柳原 照弘 デザイナー
デザイナーがデザインした形状ではなく、15世紀から使い手によるアップデートの繰り返しの中で生まれてきた形を作り続けている事に物語としての美しさを感じます。これから何年、何百年も作り続けて欲しいです
田渕 智也 デザイナー
住宅やオフィス、店舗など、さまざまな空間において、ユーザーに最適な環境を気軽に実現できるプロダクト。空間や物の間を自由に行き交いながら、行動や作業に変化をもたらす存在として、既存のカテゴリーに属さない新たな家具の可能性を感じました。使い方を想像するだけでも楽しい、発展性の高いプロダクトだと思います。
Baonan Du プロダクトデザイナー
Intelligent Autonomous Sports EV Sedan ROBOCAR 07
スマートセンシングによるドアシステムは安全で便利。AIアルゴリズムとコンピューティングプラットフォームを搭載し、自律走行とスマートな判断を実現している。ASDビジョンにより、家庭でのL4自動運転が可能。35.6インチ6Kスクリーンを搭載した上質なインテリア。U字型ホイールが障害物を軽減。ステアリングホイールで操作するレーシングゲームを内蔵。
山本 卓身 プロダクトデザイナー
折りたたみ自転車であることを乗り出した途端に忘れてしまう心地いい乗り出し。少しだけトンガったやや玄人よりの仕上げながら素人の自分でも十分楽しめる自転車。プロダクトコンセプトとして絶妙なバランスと仕上がりで、それにマッチした軽快な乗り心地はとにかく乗っていて楽しい。これを相棒にして世界の街を散策したと思わせる逸品である。
谷口 綾子 都市交通計画・交通工学研究者
黒・みどり・むらさきのタイル貼り木箱.等寸大の紙粘土タマネギ,家庭科のティッシュケース,レゴブロックの戦艦etc..,幼かったむすこの芸術作品はそのときどきの笑顔や歓声とともにわたしの中に蓄積されている.スマーフォンアプリ「ミュージアム」は,子どもの成長記録や旅行の思い出グッズなど,たまると置き場所に困る,でも捨てられないものを,絵本やTシャツとして残しておけるアプリ.あのかわいかった時代(過去形)を思い起こせるきゅんきゅんツールである.
千葉 学 建築家
電動アシスト自転車は、自転車好きの自分には用はない、と長年思ってきた。そもそもカッコ悪い。しかしこれは、そんな先入観を吹き飛ばしてくれる。これなら乗ってみたい。体力が衰えたこともある。逆に自分より走力の劣る妻が乗れば、一緒に走ることもできるかもしれない。電動アシストだから広がるこんな新しい自転車の楽しみ方を、このE-bikeは想像させてくれる。
丸山 優子 建築プロジェクトマネジャー
コトコト煮込んだシチューを鍋から残さず掬いたいのに、どうやっても残ってしまう。スパチュラを出してきて結局洗い物が増える。トングでも菜箸でも数本のパスタがつかみきれない。そんな日々の小さなストレスを一つずつ丁寧に解決してくれたキッチンツール。その上、クールな顔までしている。これは買いたい!!
廣田 尚子 デザインディレクター
暮らすこと・食べること・つくること、生きる基本は食にあり。日々笑顔のためにアイデアと工夫をこらすキッチンには、気持ちをアップしてくれる道具が欲しい。丸いフォルムで皿のような佇まいのまな板は、調理の時から美味しい仕上がりを予感させてくれる。ありそうで無かった、逸品。
成瀬 友梨 建築家
本格的な料理店での味に近いご飯が自宅で食べられる、かもしれない。このワクワク感で選びました。極力短時間で加熱できるような合理的な形状、テーブルにそのまま出しても映える仕上げの質感も素敵だと思いました。キャンプに持って行って、外で極上のコメを食べるのも良さそうです。
色部 義昭 グラフィックデザイナー
タスクチェアとしてやね充分な機能がありながら、控えめな佇まいが美しく、サイズもコンパクトで座り心地の良い「vertebra03」のシリーズに木製の座面のラインが加わったという事で座ってみた。木質とは思えない柔らかい座り心地とフィット感にただただ感心してしまいました。
大野 力 建築家
特に4本脚の方はダイニングチェアとして使っても違和感が無さそうだが、背のロッキングや座のスライド機構など、その姿からは想像出来ない挙動をするのが面白い。多くのオフィス家具が「ワークからライフへ」という流れにある中、この椅子は「ライフからワークへ」とも言うべき、ライフ側に軸足があるような佇まいである。
西澤 徹夫 建築家
Bicycle helmet Ventilation guardian
コンティニュアスで複層レイヤーの形態がヘルメット内の通気を作り出し、また衝撃に対してもその複層性によって破損を防ぐ。形態そのもの可能性を展開した好例。
吉田 愛 建築家
Smartphone, smartwatch, and earphones CMF by Nothing Product Range
もっとも身近な存在とも言える現代の三種の神器である電話、イヤホン、スマートウォッチ。そこに不在だったデザインのチョイスやカスタマイズ性を加えデザインと機能の民主化を図るこの商品。デバイスがただの機能ではなく、仕事・遊び・生活をもっと豊かにしてくれるクリエーティブな仲間になる。楽しみや喜びという感覚を与えてくれるグッドデザインだと思います!
永田 宙郷 プランニングディレクター
どこで使いたいかなぁと想像したときに、自宅や事務所だけでなく、あのカフェにも合うなぁや、取引先のオフィスが思い浮かび、想像が広がっていった。生活を楽しんで欲しいというメッセージが、シンプルな立ち姿や機能に表れた良いポットだと思い選びました。
黒川 光晴 株式会社虎屋 代表取締役社長
灯した時の和紙を通した柔らかい光は、和洋を問わず様々な空間に自然に溶け込む。非常に軽量で畳めて、持ち運びもし易い。暗闇を明るくするというシンプルな目的を通り越して、空間のムードを演出するAkariは、照明の楽しさを教えてくれる、世界中で愛されている、タイムレスな逸品です。
菊地 優里 プロダクト本部ブランド部ビームスジャパン課fennicaディレクター
イサム・ノグチが35年かけて200種類以上のデザインを考えたといわれているAKARIシリーズ。現在では43作品の販売となるが、岐阜で熟練した職人がひとつずつ手作業で制作しているこの提灯は、芸術作品でもなければ日常雑貨でもないその間のデザインだと感じる。日本の技術と彼のデザイン力が合わさった傑作は長年日本人の心を癒してきた。近年は海外からの評価もさらに高くなり、日本の誇りとも言えるシリーズであろう。このように、日本の伝統的な技術とデザインが合わさった素晴らしい作品が今後も沢山生まれてくると、更に良い世の中になっていくことだろう。
山本 和豊 デザイナー
リールが持つスプールなどへの機能は当然ながら、パーミングへの馴染み、スタードラグの質感、そして塗装など小さな事への執着と拘りを感じる。担当ユニットのホビーの代名詞と言える「釣り」その刹那と邂逅の極みに対しての一つの答えがここにあると思う。
ライラ・カセム デザイナー/アートディレクター
杖は、グリップや高さ、アングルなど一人一人に合わせることが不可欠。体に合ったものを使わなければ意味がなく身体・精神的負担も増す。理学療法と3Dモデリングを使い、しなりを持たせ、先端をスプリングにしたことで杖を、人を支えるものから人が歩けるものへと変換した。その見た目のデザイン性もかつての「杖」のスティグマをなくし、使う人により歩くことに対しての意欲や自信を持たせるものとなった。杖を使うものとしてこの商品が今後の杖や医療、介護用品のデザインに変革を持たせることを期待する。
Jian Zhang マーケット・リサーチ・アナリスト
この製品は、優れたケアというコンセプトを具現化したもので、特に省エネ、使いやすさ、持ち運びやすさの面で優れた設計となっている。 これらの特徴により、介護者の肉体的・操作的負担が大幅に軽減されるだけでなく、より多くの移動困難者が完全な介護を受けることが可能となり、ベッド上で総合的な清潔ケアを楽しむことができる。1リットルの水で入浴の全プロセスを完了することができ、環境に優しいだけでなく、費用対効果にも優れている。 シンプルな操作パネルと簡単なメンテナンス設計で、家庭や介護施設に適しており、実際の使用シーンを深く理解した設計が十分に反映されている。
川上 典李子 ジャーナリスト
生活家電のユニットを担当しながら、今日の「家電」について考えを巡らせていました。その視点で気になったひとつが、他ユニットで審査がされていた本製品です。気液分離技術を応用して開発された、これまでになかったプロダクト。関係者の熱意を讃えるとともに、このような製品が「生活を支える家電」として広く浸透していく社会となることも期待しています。
Kulthida Teachavorasinskun デザイン学研究者
環境に優しく実用的なモノマテリアル・アプローチを採用した、巧みで持続可能なデザインで印象的だ。様々な衣類の種類に対応する形状とパーツによる適応性が高く、複数のハンガーの必要性を減らした。完全にリサイクル可能で、廃棄物ゼロを保証し、ライフサイクルアセスメントの原則に沿っていて、生産から廃棄まで環境への影響を最小限に抑える。実用性を維持しながら持続可能性へのコミットメントを示すものであり、日常製品やサービス業界の関係者にとって、思慮深いデザインのお手本となる。
北川 大輔 プロダクトデザイナー
全自動洗濯機 日立 全自動洗濯機「ビートウォッシュ」BW-X100/X90/V100/V80series
劇的なダウンサイジングは本製品の使用はもちろん、乾燥機の使用にまでその効果を及ぼしている点が素晴らしい。随所に使用者への配慮を前提にクリーンなデザインがなされており、国内向け普及機としての商品性に真摯に向き合い、全体から細部に至るまで丁寧なデザインとものづくりが結実した製品と言える。20年以上続く同シリーズにおいて、ロゴの刷新も含め、誠意ある素晴らしいバージョンアップだと感じました。
松本 博子 デザインディレクター
「服にともなう不自由」の解決という着眼に強く共感する。人間はとても器用で我慢強いので、身の回りのものに合わせて不自由ながら何とか使ってしまう。あるいは使うことを諦めてしまう。 このレインウェアは、使い心地や使い勝手を全て向上させているだけでなく、着ている姿がとてもスマート!ファッション性の高さも素晴らしい。 今後の展開として、雨の日のお出かけが楽しくなるような華やかなカラー展開にも期待している。
檜垣 万里子 プロダクトデザイナー
ハンドポンプ鼻水吸引器 Sotto Totte ハンドポンプ鼻すい器
我が家の二歳児が電動鼻吸い器で大泣きするのは、鼻吸い時の不快感だけではなく、未知なるものへの恐怖心が大きいようだ。赤ちゃん自身がハンドレバーを引いてシュッと空気が通る仕組みを体験できることは「わかる」につながる。洗うパーツも少なくコンパクトに収納できるので、小まめに一緒に使う道具になれば嬉しい。
重野 貴 プロダクトデザイナー
人の指の延長としてものを掴む。ピンセットは非常にシンプルな道具だが、調べてみるとローマの時代から活用されてきた原始的な道具の一つらしい。既に改良の余地がないと思えるほどに熟成されたピンセットという道具に、取りこぼすことなく確実にホールドするという、本来この道具に求められる基本機能にイノベーションが生まれている。
朝倉 重徳 インダストリアルデザイナー
ラチェットハンドル ネプロスneXT 9.5sq.ラチェットハンドル NBR390X
デザイン開発では、計算から導かれた「かたち」が既存概念と異なることがある。初め少し困惑するが、納得すると強い信頼に変わる。軽量化、材料の節約、強度の向上を実現するトポロジー最適化理論で導かれた原型を出発点に、手で使うものとして高品質に仕上げられたレンチは信頼に足る道具として魅力的。
石川 善樹 予防医学研究者
持続可能なインフラ整備に不可欠なのが、流量計測になります。本製品は会社の枠を超えたコラボレーションのもと、徹底して顧客の声に向き合い、様々な現場の課題を一気に乗り越えるべく丁寧にデザインされている点が高く評価されました。ぜひ多くの方に本製品はもちろん、そのデザインプロセスについても注目いただきたいです。
村上 存 設計工学研究者
大学の講義で、混在する飲料容器の段階的分別を、「まず磁気で鉄を分類、次に渦電流でアルミとガラス、PETを分類、最後に風力でガラスとPETを分類」などと教えている。この製品の技術が進化すれば、より多様な廃棄物を、より簡単に、より細かく分別できるようになるだろう。それを教える講義は、より面白くなるはずだ。
松澤 剛 デザインエディター
設置が義務化されている換気用給気スリーブを利用した消音器だが、ベントキャップへのアプローチではなく、スリーブ内に設置することへの視点、施工性、新築だけでなく既存建物への対策としても適用可能などが評価できる。遮音性能を高めると切に求められる都市部はもちろん、道路交通騒音対策需要も多いと想像できる。
Javier Ricardo Mejia Sarmiento 戦略・工業デザイナー
アクティビティ を効率的に行うことに焦点を当てたデザインの優れた例(リソースと 時間の有効活用)であり、使用に関する環境への配慮が含まれています。
橋田 規子 プロダクトデザイナー
冷たくて美味しいミネラル入りの水が飲めるキッチン水栓。飲料メーカーと設備メーカーが有機的にコラボレーションし、製品化したところがユニーク。本体LED部とフィルターパッケージに黄緑色を用い、製品全体の印象を新しく軽やかにしている点がグッド。ペットボトルの購入数も少なくでき、家事軽減や地球環境にも貢献できる。
寺田 尚樹 建築家/デザイナー
シンプルでスクエアな外観と、扉のヒンジを工夫することによって、扉の開き勝手を自由に設定することができ、また、壁、天井ともクリアランスなしで設置できる。サイズバリエーションも豊富で連結して増設する従来は戸棚の中などに隠すことが通例だった分電盤を堂々と露出で見せるプロダクトとした点が素晴らしい。
小林 マナ インテリアデザイナー
変成シリコーン系シーリング材 抗菌防カビ変成シリコーン マットタイプ
施工の最終段階になり現場に訪れるといつもがっかりするのが、水回りのシール材であった。極力目地は打たずにと指示したり、最小でと指示をしてもなかなか繊細なシールは打ってもらえない。ものすごく些細なことのようにも見えるが、太く艶のあるシール材では、空間が締まらないのである。よくぞ作ってくれました。これは建築家やデザイナーがひそかに待ち望んでいた製品だ。
伊藤 博之 建築家
首都圏で年間6万本抜かれる電柱を、住宅用の杭にするという、誰もが納得するが実現されていなかったアイデアを、様々な困難を越えて実現した工法。これが、単にリサイクルの為だけでなく、事業者が住宅を提供する地域にとって重要な地下水を、汚染したり枯渇させないためでもあると知って、大いに納得。
原田 真宏 建築家/大学教授
自動車免許を取得する際、地方に数週間寝泊まりして教習を受ける「合宿免許」の方式は一般的だ。その時に知り合った友人や地域との交流が続いている例もよく耳にするだろう。この「合宿免許」の特性を、人口減少が進む地域の「交流人口」獲得のニーズと組み合わせたプログラム上の工夫と、その拠点としての施設のハードな実装がTADAIMAの内容である。免許獲得を目指す元気な若者と地域の結び目を施設として可視化するにあたって、「空間・時間・仲間」からなる「3間」をコンセプトとしている点も適切だ。能登の震災にもTADAIMAは、ソフトな人的組織とハードな支援拠点を提供し、有効に機能しているようだ。フェーズフリー的観点から見てもとても優れた取り組みであり、今後の全国的な普及を期待したい。
川西 康之 建築家/デザイナー/ファシリテーター
遊具研究プロジェクト RESILIENCE PLAYGROUND プロジェクト
こういうちょっと配慮された遊具があるだけで、我々保護者は安心できる。インクルーシブとか大袈裟なことを言わなくても、ちょっとしたことなのだ。しかし「ちょっと」は難しい。そこに挑戦されたデザインを心から称えたい。
鹿野 護 デザイナー
「つくる人」と「たべる人」を丁寧につなげるパッケージ。並べると繋がるポップで楽しいビジュアル。中の果物がインフォグラフィックスのように表現されているのもポイント。配送コストやお裾分けなどへの配慮など、おもてなしの心を感じるデザインが素晴らしい!
森内 大輔 デザイナー
行政機関のウェブサイトやアプリを中心に、その見た目や使い方を揃える取組。アセットやガイドラインを広く公開することで、誰もが使いやすいサービスを提供する機会が増えると共に、それの準備や制作に関わる労力を省くことにもつながる。
左右田 智美 エクスペリエンスデザイナー
登山愛好家に広く普及したYAMAPに、水域情報の機能が追加されたところが革新的だと思いました。ハザードマップなど防災の観点から、登山客以外のユーザーからも有益な情報を提供している点も良かったです。高度な技術、アウトプット、アウトリーチのバランスが取れた作品として印象に残りました。
長田 英知 ストラテジスト
救急医療は私たちの暮らしを支える大事な社会資本であるが、その実現には多様な分野の専門医による密な連携が不可欠となる。大規模病院でなくては困難な仕組の構築を、医療モールに入居する個人経営のクリニックが、高度医療機器の共同利用や患者情報の適切な共有により実現した本取組は、かかりつけ医による救急医療という地域医療の新たな未来像を提示している。
木住野 彰悟 アートディレクター/グラフィックデザイナー
審査を担当した地域の活動のユニットから、選びました。審査を通じて、活動自体とデザインのバランスの難しさを改めて感じました。過剰なデザインが逆に活動の印象を悪くすることもあるとても難しいユニットでした。しかし、このプロジェクトは、質の高いデザインが活動を引き立て、プロジェクト全体の魅力を際立たせていました。グラフィックデザイナーとして非常に嬉しく、この一品に選出させていただきました。
西川 日満里 建築家
高齢化社会の空間をみんなで考えるしくみ 長寿時代のデザインリサーチサイト「ことととぶき」
「介護」という課題に対し「空間」視点からのリサーチをまとめ、公開するこれまでにない取り組み。日本において介護施設は施設設計を超えた提案がされにくい分野である。設計者自身の経験をもとにしたリサーチは、事業者と設計者のみならず、介護者、利用者、地域住民など、さまざまな立場からの視点が含まれており、多くの設計に応用できる可能性を持つ。それらを公開することで、福祉分野全体の設計を後押しする活動になっている。
田中 みゆき キュレーター/プロデューサー
メタバース 『かくれてしまえばいいのです ~生きるのがしんどい あなたのための Web空間~』
現代社会の大きな課題のひとつとなっている孤独・孤立。「役に立つこと」や「生産性」で人を測り、「自己責任」という言葉が蔓延る社会で、「かくれる」ことを肯定してくれるこんな空間は、多くの人のお守りとなることでしょう。「むかんけいおばあちゃん」という名前から感じる絶妙な距離感や「いいね」で評価しない設計など、実体験にもとづいた思いが随所に感じられます。
ムラカミ カイエ デザイナー/クリエイティブディレクター
本を贈る。というシンプルな一つの行動が単なる経済的効果に留まらず、沢山の小さな善意や喜びの呼応の連続から大きな社会文化の下地となっていく様は、一見地味ですが、社会的包摂性の観点で大きなインパクトを与える優しく有意義な活動だと感じました。
岩月 美穂 建築家
応急住宅 令和6年能登半島地震被災地へのインスタントハウスの設置
令和6年能登半島地震時に人々の拠り所として貢献したインスタントハウス。地震により道路の崩壊や地盤の隆起など想定外のことが起きる中で実際に現地に向かいインスタントハウスを設置した行動力は現地の人々を勇気づける素晴らしい活動である。災害の多い日本では、避難所でもプライバシーの確保など多様な居場所の創出は重要な課題である。
堀切 和久 プロダクトデザイナー
冷凍冷蔵庫 Panasonic 冷凍冷蔵庫 NR-C37ES1,C33ES1シリーズ
そのデザインに作り手の美意識の高さを感じる。シンプルかつ適切なディテール、上質かつ穏やかなCMF。使い勝手も十分に配慮されている。過剰な表現を一切用いず生活者にアプローチした点がこのプロダクトの素晴らしさ。良質な“普通“を真剣に追求した企業とデザイナーの勇気と本気を感じる。久しぶりに欲しいと思わせる逸品である。
Mylene Abiva テックプレナー
冷凍冷蔵庫 Panasonic 冷凍冷蔵庫 NR-C37ES1,C33ES1シリーズ
洗練されたスタイリッシュなデザインで、家電としてキッチンに置いても、家の中の家具としても魅力的だ。コンパートメントのスペースはうまく設計され、最大限に活用されている。使用されている材料は高品質で、価格も手頃である。
本多 沙映 デザイナー・ジュエリーアーティスト
Eyewear Hibāng Re-Fishing-Net Circular Eyewear – Mountain Series
環境配慮のみが商品価値の中心にくるのではなく、細部のディテールや意匠性が高く、自然と普段使いしたいと思える仕上がりになっている点が素晴らしいと感じました。
濱田 芳治 プロダクトデザイナー
一般的なシューズには多様な素材が使われ、それらが接着剤で留められているため、素材毎に分別リサイクルができない。アシックス NIMBUS MIRAYはアッパー部分とソール部分を簡易に分別できる接着手法を新たに開発するなど、シューズのリサイクルにおける新たな可能性を社会に提示している。
原田 祐馬 デザイナー
機能性の追求だけでなく、リユースできるものはリユースする。メーカーがみる近い未来が態度として感じられるシューズ。履きたいのに売ってないので再発売に期待したい。
安西 葉子 デザイナー
母乳実感専用パーツ(ストロー・ふた) 母乳実感パーツ ストロー・ふた
こどもが生まれて驚いたのは、成長にあわせて次から次へと必要なものが変わっていくこと。娘が0歳児のころは毎日のようにネットで検索と買い物をしていた。一方でひとつの製品が使える時間も少なくすぐに不要なものになる。汗と涙の滲んだ部活のユニフォームが捨てなれないように処分するのも心が痛い。この蓋は哺乳瓶を、次のステップで必要となるストローマグに変身できる!すばらしい。余分なものをつくらないメーカーの勇気ある姿勢にも拍手を送りたい。
柳沼 周子 バイヤー
私自身はカクテルを嗜まない。カクテルシェイカーというアイテムを、実生活で身近に感じることも、この先なさそうだ。しかし、今年度「勇気のあるデザイン」として、印象に残った「バーディ」を一品に選びたい。過去を学び、既存を疑い、信念を貫く。開発者の強い姿勢に、現場の職人さんも、世界的バーテンダーも魅せられ、製作に力を惜しまなかったに違いない。
堀田 峰布子 サステナビリティ・ビジネスデザイナー
誰もが宇宙飛行士の目線で地球を見つめ、星々の輝きを捉える感動を味わえる、人類共通の夢である宇宙体験を身近なものにした革新的サービス。想像を現実に変え、宇宙への興味を喚起し、新たな宇宙ビジネスの可能性への扉を開く。同時に、持続可能な未来への行動を促し、地球規模の環境保護活動の推進力ともなる。
手塚 由比 建築家
実は高校の頃、宇宙飛行士になりたいと思っていた。理由は宇宙から地球を眺めてみたいから。立花隆の「宇宙からの帰還」にはまっていた。宇宙に行って地球を眺めると、人生観が大きく変わりそうで興味が湧いた。STAR SPHEREでは、人工衛星を操って宇宙の写真が撮れるという。宇宙のリアルタイムを感じられる素晴らしいサービスだと思う。
小野 健太 デザイン研究者 / インダストリアルデザイナー
HP Envy Move 23.8 inch All-in-One PC HP Envy Move 23.8 inch All-in-One PC
持ち上げるとスタンドが引っ込み、置こうとするとスタンドが飛び出す。その動きは愛嬌があり、何度も試したくなる。単に移動を考えるなら無くてもよいが、このユニークな出し入れ機構により、なぜか色々な場所に連れていきたくなってしまう。人間の行動心理の深くまで考え抜かれたデザインに新しさを感じる。
安井 重哉 UIデザイン研究者
遠隔コミュニケーションシステム テレプレゼンスシステム「窓」
丹田の動きにまで着目した等身大対話を実現する高精細ディスプレイとカメラ配置、および気配と空気感を伝える同時発話可能な音響を組み合わせることで、遠隔コミュニケーションにおける認知的不協和の解消を目指すというアプローチがユニークであり、これまでとは一線を画した双方向性を実現している。
五十嵐 久枝 インテリアデザイナー
審査会場で実物を見ると直ぐに「親しみ・懐かしみ」が湧いてきたのは、支柱に並んだ穴達が、ずい分前から見ている、あの壁面棚と同じだったから。サテン調ダークカラーに染まりグッとスマートに見え、合板とメラミンのマッチングも気を衒わずスマートに。3本脚スツールやハイスツールでのワークスタイルも軽快で働きやすそうなのだ。居ることがちょっと嬉しい働く場になるのだろう。
根津 孝太 クリエイティブコミュニケーター
巨大な重機が大好きだ。地球のカタチを変えてしまえるほどのチカラを秘めた強力なマシンなのに、操縦席に座ると、なんだか意のままに操れそうな気がしてしまう。きっと、このマシンと自分との境界線が溶けてなくなるような身体拡張感を味わえるに違いない。そんなことを夢想せずにはいられない巨大重機である。
森口 将之 モビリティジャーナリスト
クルマに比べてリスクの高いモーターサイクルだが、自分を含めて多くのライダーは、我流で操縦しているのが現実。だからこそメーカーがこういう仕組みを昔から用意しているのは心強いし、3段階のインストラクター制度など、内容はさすがと言えるレベル。南米や東南アジアなどグローバル展開している点も共感した。
Chee Su Eing インテリア・デザイン・スペシャリスト
鶴岡邸は、生物多様性の環境を創造し、人間と優れた生物たちが自律共生できるようにしている。建築材料としてソイル(泥)を導入したことは、非常に斬新である。
倉方 俊輔 建築史家
手にすることで、ご利益がある。そう感じさせるのは、言葉を超えた、デザインの力だ。そんな私たちの歴史と身体に受け継がれてきたエッセンスを整理することで、持っていたくなるものが生まれている。良いものは、頭を介さず、心に響き、身体のリズムを内側から整えるに違いない。
Shu-chang Kung 建築家/インテリアデザイナー
このプロジェクトは、本来の自然の地形を尊重し、土地の精神を受け継ぎ、参加する18家族全員のニーズと生活価値を満たす「コーポラティブ住宅」として成功している。共有の共同設計と有機的な多重構成によって、一方では、土地と自然植物を守るという住民の共通の価値観を意識的に発展させ、他方では、コーポラティブ住宅が将来の生活と環境に対してより自由に向き合うことを可能にしている。
栃澤 麻利 建築家
一人で暮らす自由さと、誰かと繋がっている安堵感を両立させる、建築・地域づくりが心地よい。まさにまちの「はなれ」として機能する空間が紡ぐ、「ゆるい」コミュニティのありようが、とても現代的だと思う。
仲 俊治 建築家
用途複合の醍醐味は、そこに新しい交流や交換の居場所ができること。でもそれは、単に混ぜるだけでは実現せず、用途の境界面を空間にするような建築的な工夫が求められる。このプロジェクトはさらに、そのような居場所が地域住民も参加する形で実現している。木製の外部サッシが連続する美しい空間が秀逸。
五十嵐 太郎 建築評論家
軸線+シンメトリーという古来から続くメモリアル建築の王道的な手法に対し、ランドスケープと絡めた弧の連なりという新しいデザインを創出したのは画期的だろう。しかもKIOKUは自律的な形態というよりも、奥の曲面をもつ震災遺構と共鳴し、特徴的な屋根は遠くの山脈と呼応する場所性を獲得している
西田 司 建築家
斜面状のランドスケープと一体になり、周囲の自然を風景として感じながら、震災の展示を巡るように体験できる震災メモリアル建築。屋根には阿蘇の野焼きの灰を使ったタイルが使われ、周辺の山並みと建築のルーフスケープが一体となって計画された佇まいが、震災復興の建築デザインとして秀逸である。
山﨑 健太郎 建築家
これからの社会のなかで、建築をつくることはどんどん難しくなってくると思います。要求は複雑化し、実に多様なひとたちとの合意形成が必要になってきます。今年のユニット15の審査を通じても強く感じていました。そのなかで、この役場の建築がもつ永続性に強く惹かれました。村が神社をつくるように思いを寄せてできたものなのでしょう。
岩瀬 諒子 建築家
食品廃棄問題や気候変動などの難しい問題について、お茶やパスタという身近な食品を建築部材化し、体験可能な身体スケールの空間へと昇華したユニークなプロジェクト。そのチャーミングさに比して、徹底した分解可能性や移動性、フードコンクリートとしての素材探しなど、プロジェクトを通して新たな知見を獲得しながら現在も進化しているところも興味深い。
Jian Liu 都市プランナー/デザイナー
CACP ''Designing?'' CACP ''Designing?''
中国の首都の古い地区に設計されたこのプロジェクトは、地元住民やコミュニティ組織とともに、プロジェクトチームが第三者として積極的に介入し、低額のプロジェクト投資と、廃墟と化したサイクリングロードを主に移住者のための公共スペースに変えるというシンプルな設計手法によって、大きな社会的利益をもたらしている。
関本 明子 グラフィックデザイナー・アートディレクター
当たり前にある体内の日々の変化について理解を促すことを、国際女性デーのようなきっかけがないと、発信しづらい現状は少々残念だ。生理がまだまだセンシティブな情報として扱われている中で、企業内での取り組みを、マスメディアを使い美しいグラフィックに翻訳し発信された勇気を賞賛したい。
佐々木 康晴 クリエイティブディレクター
書籍 Foodscape フードスケープ: 図解 食がつくる建築と風景
私たちが食べているものは、どこかで光や風を受け、熱や水を吸収し育っている。そして、食べ物がその土地の建築を形づくり、長い時間をかけて風景と文化を作りだす。コンビニでなんでも買える時代に、僕らはこの大切なつながりを忘れてしまっているのかもと気づかされる。緻密なアイソメ図にワクワクし、美しい写真に風や温度を感じる。もっと大きなページで見てみたい。
Ana Arriola-Kanada 経営者/プロダクトデザイナー/研究者/エンジニア
この革新的なプラットフォームは、真実と教育への大胆なコミットメントを示し、フェイクニュースの蔓延という問題に断固として立ち向かう。直感的で子供にも親しみやすいインターフェイスは、教育コンテンツとシームレスに統合されており、情報を提供し、興味を持たせる。出所と編集倫理の重要性を教育し、社会貢献と市民参加を促進。次世代が思慮深く責任ある市民となる準備をする。偏りのない見識を提供し、見識を持ち情報に精通した青少年を育成する。
ドミニク・チェン 情報学研究者
各種SNSでデマ・フェイクニュースが蔓延するなか、あらためてプロのジャーナリズムの価値が増大しているように思います。「みみみ」は優れたビジュアルと要約の動線設計によって、SNSのインスタントなタイパ的感覚が体に浸透した現代人にも効果的に訴求するデザインを実現していると感じました。
水野 祐 弁護士
インタラクティブサイネージ 香りを言葉にするAI「KAORIUM」 - 香り体験デバイス
まずインタラクティブサイネージとしてよくできている。同時に、「Cognitive Diversity」というコンセプトを具現化し、新しい領域や市場を切り開く可能性と気概を感じました。
新山 直広 クリエイティブディレクター
事業者とデザイナーの関係をつくる「デザインの窓口」。ただデザイナーをリスト化するだけではなく、メディエーターとしての役割を果たしているのが素晴らしい。デザインの意味が拡張しているからこそ、デザイン知識をもった人材が相談窓口になっていることにも意味がある。こういう取組みが広がってほしいと心から思う。
Li-Chin Kuo キュレーター、コミュニティ・プランナー
地域の食を活用した持続可能なまちづくり UPDATE OUR LOCAL
飲食店(収益ユニット)を起点としたシステムが、生産と消費をリードし、食育や観光面も含めたより良い地域発展への明るいビジョンを描く。郷土愛を原点とした継続的な活動は、参加者の幸せを創造し、食を通じて地域の魅力を発信している。実際に地域に変化をもたらすこの新しい産業集団は、非常に影響力のある「地域デザイン」である。全国、そして世界へと広がっていくことを期待したい。
山出 淳也 アーティスト
Art Festival Longci Light Festival:Void Mountain 2019-2024
ゴミ処理場になる予定の山村が舞台。住民等が芸術祭を開催しこの地域の文化的背景を多くの方に伝え続けた結果、ジオパークとして位置付けられゴミ捨て場計画が中止されたという。人々の想像力を信じ、否定ではなく理解を求めるしなやかな感性と、諦めない情熱に感動した。"War Is Over If You Want It"
田中 元子 グランドレベルデザイナー
Art Festival Longci Light Festival:Void Mountain 2019-2024
ゴミ処理場を計画されていた山間地域で、地元住民や環境保護活動家らが根気強く協働し、現地で開催するフェスティバルを介し地域特性を浮き彫りにした結果、ゴミ処理場の計画が撤回されたというドラマチックな取り組み。そこに光を見いだそうとする視座を具体的なかたちにし、多くの人々を動かした。